ヴェロネーゼの工房「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」の絵画解説【超初心者編】
美術鑑賞の超初心者&入門者の管理人です。今日はヴェロネーゼ(の工房)の「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」の絵画解説です。残念ながら絵画画像はありません<(_ _)>。まず最初に、絵画の説明を超簡単に解説しておきます。 「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」はキリスト教の聖人を描いた絵画です。普段はナポリ、カポディモンテ美術館に行くとみることができます。 ちなみにヴェロネーゼの工房とは、ヴェネツィア派3巨匠のひとりである「ヴェロネーゼ」を親方とする芸術家集団です。親方ヴェロネーゼがどんな人かはこちらにまとめてあります。
絵画鑑賞が超初心者&入門者のためのヴェロネーゼ解説
では、はじめます。
絵画の登場人物の概要
まずは絵画の登場人物の図を……。本当は絵画画像があればいいんですけど(;^ω^)
絵画の左側に描かれているのが、洗礼者聖ヨハネです。洗礼者聖ヨハネは、ユダヤ教を布教していた人です。キリスト教を開く前のイエスに対して、ユダヤ教の洗礼をした人です。西暦0年頃に実在した人物です。
絵画の中央に描かれているのは、聖ヒエロニムスが完成させたウルガタ聖書を広げているただの?子どもです(´-`*)。
絵画の右側に描かれているのが、聖ヒエロニムスです。聖ヒエロニムスは、ラテン語に翻訳した聖書を完成させた人です。その聖書はウルガタ聖書と呼ばれました。西暦347年頃~420年にいた実在の人物です。
ではもう少し細かく、「洗礼者聖ヨハネ」と「聖ヒエロニムス」について見てみましょう。
洗礼者聖ヨハネとは
洗礼者聖ヨハネとは、イエスに対して、ユダヤ教の洗礼をした人でもあるため数多くのキリスト教美術作品のモデルとして登場します。
イエスの生涯と教えとを記したひとつ「マタイによる福音書」に洗礼者ヨハネは登場します。そこに「らくだの皮衣を着、……」と記述があるため、洗礼者ヨハネは「らくだの毛の皮衣」をまとった衣装でよく描かれます。
さらにこの洗礼者聖ヨハネを描く時には、以下のものが一緒に描かれることがあります。
- 杖状の細長い「十字架」
- 「Ecce, Agnus Dei(見よ、神の子羊)」の文字が書かれた「リボン」
- 「子羊」
ヴェロネーゼの工房「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」でも、これらのものが描かれているのがわかります。
洗礼者聖ヨハネが左手に抱えている杖状の細長い「十字架」があるのがわかります。その先端に「Ecce, Agnus Dei(見よ、神の子羊)」の文字が書かれた「リボン」がありますね。といっても文字は「Ecce, A」までしか見えませんけどネ。右手の下には「子羊」がいるのがわかります。
この節は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたウィキペディアの項目「洗礼者ヨハネ」を素材として二次利用しています。
聖ヒエロニムスとは
聖ヒエロニムスは、ラテン語に翻訳した聖書を405年頃に完成させた人です。この聖書はウルガタ聖書と言われます。
それまでの聖書は、ラテン語やへブライ語など記述されている言葉がバラバラで成立していました。ちなみに聖書は1個の独立した「書」がいくつも集まってできています。
その言葉がバラバラで成立していたすべての「書」をラテン語に翻訳して統一した聖書にしたのが、聖ヒエロニムスです。そしてそれをウルガタ聖書と呼んでいます。
ローマ=カトリック教会では、1545年から1962年~1965年まで、このウルガタ聖書が公認標準ラテン語訳聖書でした。
そのウルガタ聖書を中央の子供が広げて、それを聖ヒエロニムスがみている姿が描かれています。
この節は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたウィキペディアの項目「聖ヒエロニムス」、「ヴルガータ」を素材として二次利用しています。
ヴェロネーゼの工房「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」の基本情報
ヴェロネーゼの工房「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」の基本情報をお伝えしておきます。()内は英語名です。英語名を知っておくと検索する時に便利です。
作品名
洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス(Saint John the Baptist and Saint Jerome)
作家名
ヴェロネーゼの工房(Wirkshop of Veronese)
ヴェロネーゼの工房とは、「親方ヴェロネーゼ」と「その弟子たち」との芸術集団です。
制作年
1580年頃(c. 1580)
技法/素材
油彩/カンヴァス(Oil on canvas)
所蔵先
ナポリ、カポディモンテ美術館(Naples,Museo di Capodimonte)
公式サイト→Museo di Capodimonte
まとめ
最後にもう一度、絵画の説明を超簡単に解説しておわりにしたいと思います 「洗礼者聖ヨハネと聖ヒエロニムス」はキリスト教の聖人を描いた絵画です。普段はナポリ、カポディモンテ美術館に行くとみることができます。 なお、2017年1月21日~4月2日まで、東京都美術館の「ティツィアーノとヴェネツィア派展」で来日中です。管理人は近々いく予定です(^^ゞ