みなさん、カルパッチョ(料理・画家)とヴェネツィアとには、深い関係があることをご存知ですか?
実は料理のカルパッチョの名前は、画家のカルパッチョに由来しています。そして両方ともヴェネツィア出身です。
ということで、今日はカルパッチョ(料理・画家)とヴェネツィアとの深い関係のお話をしますね。
料理のカルパッチョとは
料理のカルパッチョとは、「生の牛肉を薄切りにして、そこにチーズもしくはソースなどの白いソースをかけた料理」の総称です。
日本ではカルパッチョというと、魚系の「マグロのカルパッチョ」「鮭のカルパッチョ」ということが多いです。
が、実はこれ、ヴェネツィアの「牛肉料理カルパッチョ」を、日本がアレンジしてできた料理です。
牛肉料理カルパッチョを造った人
By Franz Conde (carpaccio cipriani) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
そもそも「牛肉料理カルパッチョ」を最初に造った人は、ヴェネツィアにあるガイドブックにも必ず載っている超有名レストランバー「ハリーズ・バー」を造ったオーナーシェフのジュゼッペ・チプリアーニ(Giuseppe Cipriani)です(諸説あり)。
このジュゼッペ・チプリアーニ(Giuseppe Cipriani)さんが、「生の牛肉を薄切りにして、そこにチーズもしくはソースなどの白いソースをかけた料理」に「カルパッチョ」と名づけました。
でもなんでジュゼッペ・チプリアーニは、この牛肉料理に「カルパッチョ」という名前をつけたのでしょうか?
牛肉料理「カルパッチョ」の名前の由来
実はこの牛肉料理の「カルパッチョ」という名前は、1465年頃~1525年頃に実在した(イタリアの)ヴェネツィアの画家ヴィットーレ・カルパッチョの名前に由来しています。
この画家カルパッチョさんが描いた絵画には、「赤色」が鮮やかに美しく使用され、描かれています。その赤色は500年以上たった現代でも鮮やかに輝いています。
リアルト橋の奇跡 1496年頃 アカデミア美術館 [パブリックドメイン または CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons
そしてその画家カルパッチョの絵画を知っていたオーナーシェフが、「牛肉の赤色」と「画家カルパッチョが描く、絵画の鮮やかで美しい赤色」とを掛けて、カルパッチョと名づけたのです。
その画家カルパッチョさんは、いったいどんな画家だったのでしょうか?
画家カルパッチョって?
画家カルパッチョさんは、絵画美術の世界では、「ヴェネツィア派」と呼ばれる画家のひとりで、実はとっても有名な画家です。1500年頃のヴェネツィアの風景・街並み・人物などと、キリスト教説話とを組み合わせた華麗な絵画が特徴です。
時代は、14世紀頃になります。14世紀にイタリアのフィレンツェではじまったルネサンスは、15世紀後半にヴェネツィアへもやってきました。
そしてヴェネツィアの絵画界に革命が起きて新しい絵画流派が生まれました。これを絵画の世界では「ヴェネツィア派」と呼んでいます。
カルパッチョさんはこの「ヴェネツィア派」の時代の人です。
画家カルパッチョの作品集
ということで画家カルパッチョの作品集をみていきましょう。
いずれの作品も、美しい赤色が巧みに使われた名作です。
アカデミア美術館やコッレール美術館など、ヴェネツィア市内の美術館にあるので、ヴェネツィア観光の際は、ぜひ鑑賞してきてくださいネ。
リアルト橋の奇跡
[パブリックドメイン または CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons
アカデミア美術館にあります。木造の跳ね橋だった「1500年頃の当時のリアルト橋」が描かれています。キリスト教説話の一場面とを組み合わせています。
イングランド使節の到着
[パブリックドメイン または CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons
こちらもアカデミア美術館にあります。後ろに描かれている風景は、1500年頃のヴェネツィアです。ヴェネツィア共和国の当時の国家元首も描かれています。キリスト教説話の一場面とを組み合わせています。
二人の婦人
[パブリックドメイン], via Wikimedia Commons
コッレール美術館にあります。ヴェネツィアの身分の高い婦人が描かれています。
まとめ
ヴェネツィアとカルパッチョ(料理・画家)との深い関係は、いかがでしたか? 最後にもう一度まとめると、
料理のカルパッチョは、画家のカルパッチョに由来しています。そして両方ともヴェネツィア出身
画像の左側:By Franz Conde (carpaccio cipriani) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
ヴェネツィアのアカデミア美術館、コッレール美術館で、画家カルパッチョの絵画を鑑賞したのち、バーカロ(居酒屋)やオステリア(大衆食堂)やレストランで、牛肉料理カルパッチョを堪能して来てくださいネ。
きっとヴェネツィア観光のすばらしい思い出になります!!!