美術鑑賞の超初心者&入門者の管理人です。今日はヴィヴァリーニ工房(一族)について調べてみました。
ヴィヴァリーニ工房は、伝統的なヴェネツィア絵画に流行していたゴシック様式を取り入れて、1400年代中頃にヴェネツィア絵画の歴史を一歩進め、イタリアのヴェネツィアで活躍した工房(芸術家の集団)のひとつです。時代的にはヴェネツィア派といわれる画家たちが誕生する少し前の時代に活躍していました。
Antonio Vivarini [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
それでは、少し詳しく見てみましょう。
ヴィヴァリーニ工房って?
ヴィヴァリーニ工房は、伝統的なヴェネツィア絵画に流行していたゴシック様式を取り入れて、1400年代中頃にヴェネツィア絵画の歴史を一歩進め、イタリアのヴェネツィアで活躍した工房(芸術家の集団)のひとつです。
「一歩進めた」まではよかったのですが、ヴィヴァリーニ工房はどちらかういと伝統的な傾向(≒ゴシック的)を守ったため、その後、衰えて勢いが弱ってしまいました。
同時期にライバルとして「ベッリーニ工房」も活躍していました。ヴィヴァリーニ工房と共に、伝統的なヴェネツィア絵画に流行していたゴシック様式を取り入れて、ヴェネツィア絵画に新しい流れをもたらしたという点において同じです。しかしベッリーニ工房は発展し、後にヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノをはじめルネサンス的な絵画へ展開した画家たちが育っていきました。
ちなみにティツィアーノさんはこちら。
少し難しく長くなりましたが、絵画鑑賞の超初心者レベルの管理人的にまとめると
伝統的なヴェネツィア絵画に流行していたゴシック様式を取り入れて、1400年代中頃にヴェネツィア絵画の歴史を一歩進めた2つの工房のうちの1つ。ただしどちらかというと保守的。ちなみにもう1つは革新的なベッリーニ工房。
みたいになります。
ヴィヴァリーニ工房を作った人は誰?
そのヴィヴァリーニ工房を作った人は「アントニオ・ヴィヴァリーニ( Vivarini)」です。開祖といったところですね。(^_^)
さらに工房では、弟の「バルトロメオ・ヴィヴァリーニ(Bartolomeo Vivarini)」、息子の「アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ(Alvise Vivarini)」たちが活躍しました。
「ヴィヴァリーニ」とは姓です。なのでヴィヴァリーニ工房とは「ヴィヴァリーニ一族の工房」という意味にもなります。もちろん工房には、弟子が他にも数多くいました。
また「祭壇画」という教会の祭壇飾りも数多く作成し、ヴェネツィア共和国をはじめその植民地に送っていました。ちなみに「祭壇画」というのは以下のようなものです。
ファイル画像作者 Didier Descouens: Bartolomeo Vivarini [CC BY-SA 4.0], ウィキメディア・コモンズ経由で
これは弟の「バルトロメオ・ヴィヴァリーニ(Bartolomeo Vivarini)」の作品です。
ヴェネツィアでヴィヴァリーニ工房の作品が見れる場所
ヴェネツィアでヴィヴァリーニ工房(一族)の作品が見れる場所をまとめておきます。観光計画の際に利用してください。
アカデミア美術館(ヴェネツィア)
ヴェネツィアで美術をみるならまずはココ!というアカデミア美術館。もちろん、ヴィヴァリーニ一族のアントニオ、(弟)バルトロメオ、(息子)アルヴィーゼの作品がそろっています。
公式ホームページによるとSala I(ホールI)、Sala XXIII(ホールXXIII)、Sala XXIV(ホールXXIV)にヴィヴァリーニ一族の作品があり、全部で10点ほどあるのが確認できます。→http://www.gallerieaccademia.it/opere-esposte
(開祖)アントニオ、(弟)バルトロメオ、(息子)アルヴィーゼそれぞれ一点ずつのご紹介しますね。
Madonna col Bambino
(開祖)アントニオ・ヴィヴァリーニの作品です
Antonio Vivarini [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
Sant’Ambrogio benedice alcuni confratelli e i santi Luigi IX, Pietro, Paolo e Sebastiano
(弟)バルトロメオ・ヴィヴァリーニの作品です。
Bartolomeo Vivarini [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
St John the Baptist
(息子)アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニの作品です。
アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
他にも、サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ聖堂、サン ザッカリア教会のサン・タラージョ礼拝堂、サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂、コッレール美術館などなどにヴィヴァリーニ工房の作品があります。すべてヴェネツィア本島にあります。
さらに2017/1/21~4/2まで、東京都美術館で開催されている「ティツィアーノとヴェネツィア派展」には、(弟)バルトロメオ・ヴィヴァリーニの「聖母子(The Virgin and Child)」が来日中です。
最後にもう一度、ヴィヴァリーニ工房をまとめると……
ヴィヴァリーニ工房は、伝統的なヴェネツィア絵画に流行していたゴシック様式を取り入れて、1400年代中頃にヴェネツィア絵画の歴史を一歩進め、イタリアのヴェネツィアで活躍した工房(芸術家の集団)のひとつです。時代的にはヴェネツィア派といわれる画家たちが誕生する少し前の時代に活躍していました。
になります。それでは。
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