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絵画鑑賞初心者&入門者のためのカナレット画像付き超解説

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絵画鑑賞初心者&入門者のためのカナレット(Canaletto)/本名ジョヴァンニ・アントニオ・カナル(Giovanni Antonio Canal)の超解説です。画像付きで分かりやすくお伝えしますね。


ジョヴァン二・バッティスタ・ピアッツェッタ作 [Public domain] , ウィキメディア・コモンズ経由で

カナレットは、18世紀に活躍した(イタリアの)ヴェネツィアのヴェドゥータ(都市景観画)の画家です。カナレットが描くその景観画は、全世界で人気になります。それによりヴェネツィアの景観が、全世界に広く知れわたり、ヴェネツィアの典型的な景観イメージを作り上げました。

という画家です。このようなヴェドゥータ(都市景観画)を描いています。

カナレット [パブリックドメイン], via Wikimedia Commons

『ヴェドゥータ(都市景観画)って?』という人はこちらをどうぞ。

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カナレットの略歴

カナレット(Canaletto)/本名ジョヴァンニ・アントニオ・カナル(Giovanni Antonio Canal)は、1697年に(イタリアの)ヴェネツィアで生まれました(没1768年/70歳)。

父親が劇場の舞台美術家だったことから舞台背景画を描き始めます。やがてローマへ行き、景観画家のジョバンニ・パオロ・パニーニ(Giovanni Paolo Pannini)に学びます。

1719年にローマからヴェネツィアへ戻ってきて、ローマで学んだ知識を活かし、ヴェネツィアのヴェドゥータ(都市景観画)を描きはじめます。

カナレットが描くその景観画は、グランドツアー(説明はコチラ→グランドツアーとは)をはじめとするヴェネツィア観光旅行土産として全世界に知られることになり、大人気になります。またこれによりヴェネツィアの景観が、全世界に広く知れわたり、ヴェネツィアの典型的な街のイメージを作り上げることに貢献しました。

さらにカナレットは、「カプリッチョ(=奇想画)」とよばれる「実在しない架空の景観を描いた絵」も描きました。

カナレットは、グランドツアーの旅行者たちであったイギリス人たちに大人気となります。1746年にはイギリスに招かれ、10年間ほどイギリスに滞在し、ロンドンのヴェドゥータ(都市景観画)も描きました。

カナレットの特徴

カナレットの特徴は、ヴェネツィアの建物・広場・運河を写真のように正確に描くだけの「ヴェドゥータ(都市景観画)」ではなく、「景観画の見栄えをよくする工夫」をも加えた「ヴェドゥータ(都市景観画)」を描いたことでした。たとえば「人物の光と影を描く」「建物位置を少しずらす」「実際の景色を少し変更する」などなどの効果を取り入れたりしていました。

さらにまた「実際の景色を少し変更する」だけでなく、「景観画の一部に空想景色を少し加える」、さらには「景観の全てを空想で描く」という「カプリッチョ(=奇想画)」をも描きました。

この「見栄えをよくする工夫を施したヴェドゥータ(都市景観画)」と「全て(または一部)が空想の絵であるカプリッチョ(奇想画)」によって、現実を忘れされてくれるファンタジーの世界を人びとに提供したのことがカナレットの描く絵画が大人気になった理由のひとつでもありました。

また、カナレットはヴェドゥータ(都市景観画)を描く際に、「カメラ・オブスクーラ」という装置を使ったこともありました。この「カメラ・オブスクーラ」というのは、以下の図のようなカメラの原型みたいな装置です。

ということで、次に実際にカナレットが描いた「ヴェドゥータ(都市景観画)」と「カプリッチョ(奇想画)」を見ていきましょう。

ヴェドゥータ(都市景観画)

それでは、カナレットが描いたヴェネツィアのヴェドゥータ(都市景観画)をみてみましょう。

Bucentaur’s return to the pier by the Palazzo Ducale

現代の景観と比較するためにgoogleストリートビューでみてみるとこんな感じです。

ヴェネツィアの玄関サン・マルコ運河からながめたヴェドゥータ(都市景観画)です。左から鐘楼、サン・マルコ寺院、ドゥカーレ宮殿が描かれています。現代と同じ風景なのが素晴らしい!

サン・マルコ広場、ヴェネツィア広場(Piazza San Marco with the Basilica, Venice)

こちらもgoogleストリートビューでみてみるとこんな感じです。

サン・マルコ広場から眺めた画で、左手に時計台、中央にサン・マルコ寺院、右手に鐘楼がみえます。

The Entrance to the Grand Canal, Venice

こちらもgoogleストリートビューでみてみるとこんな感じです。

サン・マルコ運河からの眺めです。左手にサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会がみえます。

Grand Canal: The Rialto Bridge from the South

約10年前に管理人がヴェネツィア観光へ行った時、リアルト橋を撮影した時の写真と比較してみましょう。リアルト橋はもちろん、左の建物もほぼ当時のままですね(^_^)

カナレットがイギリスに招かれ、10年間ほどイギリスに滞在して、ロンドンで描いたヴェドゥータ(都市景観画)もご紹介しますね。

ウェストミンスター寺院、1749 年の騎士団の行列(Westminster Abbey with a procession of Knights of the Bath, 1749)

ウェストミンスター橋、テムズ川沿いの市長行列(Westminster Bridge, with the Lord Mayor’s Procession on the Thames)

カプリッチョ(奇想画)

カナレットが描いたカプリッチョ(奇想画)をご紹介します(カプリッチョ」とは「実在しない架空の景観を描いた絵」です)。「景観画の一部に空想景色を少し加える」と「景観の全てを空想で描く」とのカプリッチョ(奇想画)を1点づつご紹介します。

The Horses Of San Marco In The Piazzetta

「景観画の一部に空想景色を少し加える」カプリッチョ(奇想画)です。サンマルコ寺院の前に、4頭の馬の立派な彫刻がいかにもあるように描かれています。

カナレット [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
1743年、キャンバス・油絵、H108cm x W129.5cm、ウィンザー城ロイヤル・コレクション(Royal Collection, Windsor Castle)

Capriccio with Ruins and Porta Portello, Padua

「景観の全てを空想で描く」カプリッチョ(奇想画)です。絵のすべてが空想上の「古典的な遺跡」と「建物」とで描かれています。

カナレット [Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由で
1750年代、キャンバス・油絵、H61cm x W76cm、アカデミア美術館-ヴェネツィア(Accademia of Venice)

まとめ

今日は、絵画鑑賞初心者&入門者のためのカナレット(Canaletto)超解説を画像付きでお伝えしました。いかがでしたか? ここでもう一度カナレット(Canaletto)さんについて復習しておきましょう。

カナレットは、18世紀に活躍した(イタリアの)ヴェネツィアのヴェドゥータ(都市景観画)の画家です。カナレットが描くその景観画は、全世界で人気になります。それによりヴェネツィアの景観が、全世界に広く知れわたり、ヴェネツィアの典型的なイメージを作り上げました。

それでは!


参考文献


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